身体が冷えるのはなぜ? 血流と体温調節の仕組みを知る

2026年10月15日 21:34


10月も中旬になり、朝晩の空気に少しずつ冷たさを感じる季節になってきました。

この時期になると、

「手足が冷たくなりやすい」

「身体を温めても、しばらくするとまた冷えてしまう」

「周りの人は平気そうなのに、自分だけ寒く感じる」

今のところまだあたたかさはあるものの、
そんな経験をする方も段々と増えてくる頃なのではないでしょうか。

冷えを感じると、厚着をしたり、温かい飲み物を飲んだりと、外から身体を温めることを考えますよね。

もちろん、そうした工夫も大切です。

しかし、私たちの身体には、もともと熱を生み出し、その熱を保ちながら体温を調節する仕組みが備わっています。

今回は、身体が冷える仕組みについて、現代医学と東洋医学の両方の視点から考えてみたいと思います。

身体は、じっとしていても熱をつくっている

私たちの身体は、運動しているときだけでなく、座っているときや眠っているときにも熱を生み出しています。

これは、生命活動を維持するために、身体のさまざまな組織でエネルギーが使われているためです。

例えば、肝臓や脳、心臓、筋肉など。

それぞれの組織が活動する過程で熱が発生しています。

また、寒い場所にいると身体がブルブルと震えることがありますよね。

これは「ふるえ熱産生」と呼ばれる反応で、筋肉を細かく収縮させることで熱を生み出しています。

つまり、身体には自ら熱をつくる仕組みがあるのです。

血流は、身体の熱を運ぶ役割も担っている

身体の温かさを考えるうえで、もう一つ大切なのが血液循環です。

血液には、酸素や栄養素を運ぶだけでなく、身体の内部で生まれた熱を各部位へ運ぶ役割もあります。

例えば、寒さを感じたとき。

私たちの身体では、皮膚の血管が収縮し、皮膚へ流れる血液の量が減少します。

これは、身体の表面から熱が逃げるのを抑え、重要な臓器がある身体の中心部の温度を保とうとする反応です。

そのため、寒いときには手足の先が冷たくなりやすいのですね。

ここで興味深いのは、手足が冷たいからといって、必ずしも身体全体の熱が不足しているわけではないということです。

身体の中心部の温度を守るために、末端への血流が調整されている場合もあります。

冷えは、単に熱が足りないというだけではなく、身体が環境に適応しようとする働きとも関係しているのです。

筋肉を動かすことも、冷え対策のひとつ

身体を温める方法というと、入浴や温かい飲み物などを思い浮かべる方も多いかもしれません。

そこに加えて考えたいのが、身体を動かすことです。

筋肉は収縮するときにエネルギーを消費し、その一部が熱になります。

また、歩いたり足首を動かしたりすることで、筋肉の収縮が静脈血を心臓へ戻す働きを助けます。

これは「筋ポンプ作用」と呼ばれています。

特に、長時間座りっぱなしで過ごしている方は、途中で立ち上がったり、軽く歩いたりすることもおすすめです。

ただし、筋ポンプ作用があるからといって、必ず手足の冷えが改善するわけではありません。

冷えにはさまざまな要因が関係するため、自分の身体の反応を観察しながら、無理なく取り入れていきたいですね。

東洋医学では、冷えをどう考える?

ここまでは、現代医学の視点から身体の熱について考えてきました。

一方、東洋医学では、身体を温める働きを「陽気」という概念から捉えることがあります。

陰陽の考え方では、温かさや活動性などは「陽」の性質に分類されます。

そして、身体の状態を考える際には、陽気の働きだけでなく、気血の巡りや五臓六腑のバランスなども重視します。

例えば、東洋医学における「腎」は、生命活動の根本を支える存在と考えられています。

その腎の陽気が不足した状態は「腎陽虚」と呼ばれ、冷えや寒がりなどと関連づけて解釈されることがあります。

また、気血の巡りが滞っている状態も、冷えを考える際の一つの視点になります。

ただし、東洋医学でいう「腎」は、現代医学における腎臓そのものを意味するわけではありません。

同様に、「陽気」も体温や代謝を直接表す医学的な数値ではありません。

それぞれ異なる体系ですが、身体を一部分だけでなく、全体のつながりから考えるという点では、日常生活を見直すヒントになるかもしれません。

冷えを感じるときに意識したい、日常の養生

それでは、普段の生活ではどのようなことを意識するとよいのでしょうか。

難しいことを始める必要はありません。

まずは、日常生活の中で取り入れやすいことから考えてみましょう。

① 同じ姿勢を長く続けない

デスクワークなどで長時間座っている場合は、ときどき立ち上がったり、軽く歩いたりしてみましょう。

足首を動かすだけでも、ふくらはぎの筋肉を使うことができます。

② 身体を冷やしすぎない

朝晩の気温差が大きい時期には、脱ぎ着しやすい服装を選ぶことも大切です。

身体が冷えてから対処するだけでなく、寒さを感じる環境を調整することも養生のひとつです。

③ 食事や睡眠を大切にする

身体の熱産生にはエネルギーが必要です。

そのため、十分な食事をとり、必要な栄養を補うことも大切になります。

また、睡眠や生活リズムを整えることは、日々の体調管理にもつながります。

④ 自分が冷えを感じる場面を観察する

例えば、

・朝起きたときに冷えやすい
・長時間座っていると足先が冷たくなる
・緊張していると手が冷たくなる
・食事を抜いた日に寒さを感じやすい

このように、冷えを感じる場面は人によって異なります。

自分がどのようなときに冷えやすいのか。

その傾向に気づくことも、自分に合った養生を考える第一歩になります。

なお、冷えが強く続く場合や、急に片側の手足が冷たくなった場合、痛み・しびれ・皮膚の色の変化などを伴う場合には、医療機関での評価が必要なことがあります。

身体の温かさも、日々の暮らしの中から

私たちの身体は、周囲の環境に合わせながら、絶えず体温を調節しています。

熱をつくること。

熱を運ぶこと。

そして、必要な熱を保つこと。

こうしたさまざまな働きが組み合わさって、身体の温かさは保たれています。

冷えを感じたときには、ただ温めるだけでなく、

「最近、身体を動かす時間はあったかな?」

「食事や睡眠は十分だったかな?」

「どんなときに冷えを感じやすいのだろう?」

そんなふうに、自分の身体や暮らしに目を向けてみるのもよいかもしれません。

身体の仕組みを知ることは、自分の身体との付き合い方を知ることにもつながります。

日々の小さな気づきから、心と身体に少しずつ余白をつくっていきたいですね。

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当サロンでは、姿勢や身体の使い方、日々の生活習慣などにも目を向けながら、一人ひとりの心身の状態に寄り添うことを大切にしています。

身体の緊張や日々の疲れなど、気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

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