栄養学はただプラスすればいいものだと思い込んでいた経験

2022年04月21日 22:55



今は、栄養はただプラスすればいいだけのものではないとわかりましたが、かつてはプラスをすればよいという思い込みがありました。

現代の多くの病院では、入院している患者様には1日三食の飯が出ます。間食におやつ的なのが出るところや栄養補助飲料?みたいなのもたくさんあります。

食べた方がいいとしか知らなかった頃の私は患者様が大変そうでも介助して食べていただいていました。
ですが、患者様にも色々な方がいらっしゃいます。中には頑固な方もおりました。あるご高齢の方で頑固さも持ち合わせる方がいらしたのですが、その方は食べたくない時には絶対食べない、介助も拒絶をしていました。

食べた方がよいと思い込んでいた私は当然勧めますが、拒絶でした笑
 その方は、特に体調が疲れてきた頃に食べたくないということが多かったです。そのため、食べないと回復も中々しないんではなんて考えてたんですが、これがなんと、その人はとても元気になります。そういうことを何回か繰り返していましたがやはり元気になります。

一方で、介助を断れず無理して食べている方は、いまいち良い方向に中々進まないなぁという印象がありました。

今知っていることで考えれば、それもその通りのはずでした。頑固な方は、本能的に食べない方がよいと感じていたというか体が自然に反応していたのでしょう。無理していた方も実際には食べたくないと感じていたのでしょうが色々してくれる私達のことを気遣ってくれてたのかなと思います。

足りない栄養をプラスすることは確かに大事ですが、人の消化・吸収能力には個人差があります。ましてや、高齢ともなれば、低下しているのは想像しやすいでしょう。
また、現代増えている添加物等の蓄積や排出状況も考慮したいところです。

保険診療が行われるところでよくみられると思われる、不足へのプラスを重視した栄養学では、個々の状態や個人差を考慮できないというのが本当のところで、薬膳のような個人も含めた広い視点での栄養管理が有効です。

このような経験をした私は身に染みて、栄養の奥深さや食の重要性を大切にしていきたいと感じており間す。

それにしても、ご高齢だからといって、あなどれない生きる力。いくつになっても、自己治癒力は健在だと実際に確認させてもらいました。この実経験はとてもありがたいことです。そして、人に備わる力には驚かされます。

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